「虐殺器官 - Genocidal Order-」観賞。
- sooglek
- 2017年2月13日
- 読了時間: 2分
2009年に夭折したSF作家伊藤計劃氏のデビュー作「虐殺器官」のアニメ化であり、同氏の作品を連続映像化する「Project Itoh」の第三弾にして最終作。計画発表当初から気にはなっていたのだがなかなか原作も他作品も消化できずこの作品だけはと思い劇場にて観賞。タイトルのイメージからグロ描写は覚悟していたがその点は予想通り。むしろ少年兵をも容赦なく仕留めていく・いかざるを得ない状況が本当に悲惨。ただ視覚的残忍さ以上にこの作品が示すのは「理性的判断の先に起こりうる虐殺を利用した秩序の維持」であり、「見える者だけを見ようとする」というどんな人間にも通底しうる態度の是非を否応なしに突き付けてくる所だと感じた。登場する未来的技術を反映した様々なデバイスや戦闘マシンの登場も見ごたえがありSFならではなのだけど、それ以上に登場人物たちの持つそれぞれの信念や正義感が大変興味深く、原作未読ながら大変に楽しめる作品だった(「虐殺のことば(=パターン)を理解が足りんので原作もぜひ読もうと思う)。この作品が描く世界は今の僕達の現実と地続きな所は想像に難くないし、むしろ既に現実に起こっている部分も相当あるのだと思うとゾッとするし、こんな世界を既に予言していた計劃氏ほんとうにすげえ。ハリウッドではパク・チャヌク監督による実写化も進展している様なのでそちらも期待。
(公開2/3日金曜日、公開10日目時点)
公開館数:約70館
Twitterランキング:ランク外
Yahooレビュー:3.7
Filmarksレビュー:3.7
Filmarks見た:873
Filmarks見たい:3309
youtube予告編視聴数:261120
映像的な残虐性やその裏にある精神世界を描く点でノイタミナで放送されたPsycho-passのファンには同様に響くものがあると予想される。(主題歌も同じEGOISTなので制作側も意識しているはず)。同作品は興行収入8.5億円とのことだが、公開規模や現実的な話題性も踏まえると半分程度の着地と予想される。4億円前後、5億円未達という所ではないか。
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